僕の夢は鼓動する

福島正浩



 夢を叶えたくて、僕は自分を鍛える旅に出た。

 一歩歩いて大人になって、僕の世界が変化して
 十歩歩いて博識になれて、僕の世界が膨らんで

 百歩歩いて苦痛を知って、僕の世界が揺らめいて
 千歩歩いて道に迷って、僕の世界が小さくなって

 遠くまで来てふと振り返ると、僕が通ってきた道には幾つもの光の珠が転がっていた。

「大切なもの、拾わないの?」

 誰かの声が聞こえた
 僕は悩んで、そして首を左右に振った。

「もう相容れないから」

 そう答えて僕は、足を一歩前に突き出した。

 一歩歩いて大人になって、僕の世界が変化して
 十歩歩いて博識になれて、僕の世界は膨らんでいた。





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