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大学祭出展作品


タイトル  フランスパン列伝

作者名  翼揚・風人


 ピエールは愛パンを崩れない程度に握りしめ、決戦場に歩きだした。
『只今より、準々決勝 第4試合を行います。赤コーナー 1m 200g ピエール=ジョナサン〜!! 青コーナー 8m20cm 1300g ナンデヤ=ドナイン〜!! …両者、見合って見合って……レディゴ〜!!』
 二人は開始の合図と同時に後ろへ跳び、間合いを計った。
 ピエールの愛パンは香ばしいフランスパンである。相手とのせり合いの時にパンが削れて匂いがほのかに薫る、パン屋で重宝されるというパンである。パンが薫る時に「あっ、いい匂い」と相手が恍惚状態になった所をすかさず斬るという手法をとる。
 対するナンデヤの愛パンはギネス記録を樹立したロングフランスパンである。リーチのある攻撃で、まるでスナイパーのように遠くからビシバシやる戦い方が得意である。
 二人は間合いを少しずつ詰めながら、相手の動向をうかがっていた。
『最近さ〜、通販で枝切りバサミを買ったんだけど、いやこれが結構使えてね、もうバッサリ切れるんだよ』
 実況の人は二人がしばらく動かないことを知っているので、世間話に花を咲かせていた。
 (どうする? どうすればいい!?!?!?!?!?!?)
 ピエールは焦っていた。このまませり合いになってもナンデヤとは距離が開けすぎていて、匂いが届かない。……………仕方ない、あきらめるか。
 ピエールは、やけになって、パンを放り投げた。
「ぐはっ!?」
 ナンデヤに当たった。
「スキあり!」
 ピエールはパンを拾って斬った(正確には、ぶった)
「ぐはあああ………」
『勝負あり。ピエール=ジョナサンの勝ち〜』

 ピエールは愛パンを以下略。
『勝負あり。ピエール=ジョナサンの勝ち〜』

 ピエールは愛パンを崩れない程度に握りしめようとしたが、ちょっと崩れた。
『只今より、決勝戦を行います。赤コーナー 1m 180g ピエール=ジョナサン〜!! 青コーナー 1m 250g キエール=ミエール〜!!おおっと〜、キエールがゴングを待たずに奇襲をしかけた〜!!おおっと〜、それを読んでいたピエールが迫りくるキエールのパンを食べた〜!!』
 (ふふふ、甘い甘い。…黒糖パンだな、これ)
『しかし、すかさずキエールが反撃に出てピエールのパンを食べた〜!! しかし、すかさずピエールが反撃に出てキエールのパンを食べた〜!! すかさずキエールが食べた〜!! すかさずピエールが食べた〜!!』
 ………………1時間経過。
「痛たたたたたたたたたたたたたたた…」
 二人は運動しながら食べ続けたため、腹痛を起こした。
 ………………二人が復活するのに、さらに30分経過。
 外はもう夜になっていた。
「ふっふっふっふっふっ」
 キエールは不敵な笑みを浮かべた。
「闇こそ我が奥義が使える唯一の時! ゆくぞ、奥義 絶・無・虚・構・真・速・獣・王・剣!!!!」
 キエールは気合を入れなおした。
 ピエールは、あいつが叫んでいる内にとっととぶてば良かったな〜と少し後悔した。
「くらえ!!」
 キエールの攻撃。
「な、何だと!?」
 キエールの黒糖フランスパンが、夜の闇に紛れて見えない!?
 ピエールはとっさに後ろに跳んで、パンを避けた。
「くそっ、なんてセコイ手を使いやがるんだ(お前もな)!!」
 キエールは休まず攻撃をしかけてくる。
 もはや……これまでか……。
「ぐわっ!?な、なんだ?」
 突然、辺りがまばゆい光に包まれた。
『すみませ〜ん。暇つぶしにマグネシウムの実験してたら失敗しちゃって……』
 実況の奴だった。
 ピエールは微笑を浮かべ、キエールは苦笑を浮かべた。

『優勝はピエール=ジョナサン選手です。優勝者には賞金10万円と世界大会出場権が与えられます』
 こうしてピエールは、世界大会へ旅立ったのだった。
                         
 つづくかもしれない



あとがき

 …あとがき? 面倒くさいから、パス。


 ってわけにはいかないか。え〜とまず、フランスパンに誇りを持っている方、ごめんなさい。こんなどうしようもないものを書いてしまったお詫びは手の施しようがありません。違うんです。違うんですってば。いや、悪いのは自分じゃないんですよ。あのゲーム!あのゲームのおかげなんです。だってフランスパンでビシバシ行くゲームなんですよ?もう触発されないわけがないってことで、ごめんなさい。
 一応、裏設定とかはあるんです。時は中世、すでに革命(清教徒革命とか、そういうやつ。分からない人は、お店のおにいさんに聞いてみよう)ブームが過ぎ去った世の中は武器をばんばん処分していた。しかし、そんな中で不満たらたらだったのが傭兵のみなさんだった。戦いたいのに武器はない、場所もない、目的もない。もう、ストレスはたまる一方だった。ある日、傭兵の一人が奥さんの買い物に付き合った時に初めて調理をしていない生のフランスパンにであったのだった。何で今まで気が付かなかったのだろう。あれが、剣の代わりになるではないか。
 というわけです。
 
 え〜と……よろしければ、詩の方も見てやってください。




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